とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

フェミニズムの話

少し前からフェミニズムというかジェンダー学に興味がある。

以前だとフェミニズムというとヒステリックなおばさんが叫んでるみたいなイメージがあって敬遠していたのだが、東大の入学式の上野千鶴子さんの祝辞を読んで考えが変わった。

2019年4月 上野千鶴子名誉教授 東大入学式祝辞

この文章読んで、ずっと自分の中にモヤモヤしてたことがハッキリしたというか、そうそうそうなんよな〜と思うなどした。

医科歯科大で女子学生の点数引かれてたとか聞くと悲しくなってしまうけど、なにが悲しくてどうすれば悲しくなくなるのか考えたいな〜と思うなどした。

思うなどしたけどそのまま頭の中で考えてただけだったのだが、今日会社でLGBTについての研修を受けなきゃいけなくて、最初はめんどくさかったのだが、視聴しているうちに引き込まれ真剣に見ていた。講師自身がLGBTで、いわれのない差別や偏見や心ない言葉に傷ついてきたことが伝わってきた。

自分のLGBTに対する理解も少し深まったと思うし、LGBTじゃなくても社会的な弱者について考えるきっかけになった。

 

社会的弱者というと自分も女性だし、小さな子どもがおるという意味では社会的弱者かもしれないのだが、これまでの人生で「女だから」という理由で不利益をこうむったこと、もしくはそう思ったことってほとんど無かったと思う。

それが本来当たり前だと思うけど、私がそう感じること自体、上野さんはじめ先人たちが少しずつ色んなことを変えてきてくれたからなんだと思う。

だし、親が「女は大学は不要」と言わなかったとか、入社した会社で「女はお茶汲みしてればいい」と言われなかったとか、そういうのは単に運が良かっただけなのかもしれないと思う。

 

最近、将棋界初の女流棋士として活躍した蛸島彰子女流六段のインタビューを読んだ。「女は頭が悪いから男と同じ土俵には立てない」と散々言われたり「女性用のトイレがない」とかいうくだらない理由で研修参加を拒まれたり、とても苦労したらしい。

最近将棋界初の「女性棋士」(≠女流棋士)に迫る西山朋佳三段の活躍をすごく喜んでる記述があって、それが「自分たちのできなかったことを」というような重荷を背負わせる感じでなく、自由に羽ばたいてほしいという先人の強さ優しさを感じさせるもので、胸が熱くなった。

2019年7月 蛸島彰子女流六段インタビュー

 

先日社外のオンラインセミナーを受けていたら、脳科学的に「マルチタスク」は効率が悪い、という話が出てきた。脳科学的にはマルチタスクということは不可能で、素早く「スイッチタスク」してるだけ、という話は説得力があって面白かったのだが、受講者がチャットでコメントを入れていて「でも女性はマルチタスク得意ですよね。家事育児とか(笑)」みたいに言っていて、それは弊社のおじさんだったのだが、それに対して講師が迎合したのか冗談半分なのか、「そうですね、確かに女性は得意なのかもしれないです(笑)」なんて言ってて、イラッとするなどした。おじさんの嫁がマルチタスクで家事育児をこなしてるのはおじさんが家事育児をしないからでは?と思ったし、講師もせっかく科学的な話をしてるのにどうしてそこで迎合しちゃうのか?と思い、受講後のアンケートにちょっとだけそれについて意見を書いたりした。届かないだろうけど。

 

うちにまだ2歳のムスメがいて、ムスメが将来、女というだけで点数を引かれたり棋士になれなかったり家事育児を押し付けられたらと思うと涙が出そうになる。ましてやLGBTや障害者のように、より社会的に弱い立場に置かれることになったとしたら、親としてどうしたらいいのか今はまだ見当もつかんなーと思う。

とにかくムスメにはやりたいことはやらせてあげたいし、自分で判断して生きていける力がつくような教育は受けさせてあげたい。だし無力とはいえ先人として、ムスメの世代の人たちがみんな、少しでも生きやすい世界を作る責任があると思う。無力だけど…いや微力くらいにしておくか。

 

なんてことをつらつら考えていた。

前からぼんやり欲しかった上野千鶴子さんの本を買ってみたので読んだらまた感想など書いてみたいなと思います。