・歌が良すぎて泣ける件
1番好きな歌は「ONE DAY MORE」という、舞台でいうと第一幕のエンディングの歌
暴動の前夜、みんなそれぞれの思いで明日を待つさまを歌っているのだが、メインキャストがそれぞれその人っぽい歌を歌う
ちょっとずつソロもあり、後半は重なり合っていく
コゼットとマリウスは翌日コゼットが遠くに行ってしまうのを悲しんでデュエットをしているし、エポニーヌは孤独な自分を嘆き、テナルディエ夫妻は暴動の混乱でひと儲けしようとたくらんでいるしジャベールは治安維持しか考えてなくて、アンジョルラスはとにかくかっこよくて市民を扇動する
全然別の歌をそれぞれ歌っているのに、全体としてはONE DAY MOREという一曲になっていて、それを束ねるのがジャンバルジャンのONE DAY MORE!!!という歌声。しびれるぅー
この時のエポニーヌのソロとアンジョルラスのソロは同じメロディなのだが、エポニーヌは1人で寂しげに歌ってるのに、アンジョルラスが歌うとアンサンブル(後ろで大勢で歌う人たち)が呼応して大合唱になる
エポニーヌの孤独が浮き彫りになる感じ
そしてアンジョルラスかっこいいけど目が何かにとりつかれた感じというか熱に浮かされた感じで、無謀で刹那的な若者感が出とる
しかもこのメロディはファンティーヌが歌ってたメロディと同じ
ONE DAY MOREの時点でファンティーヌはいないけど、生きてる感じ
ジャンバルジャンはどの団体にも属してなくて、ただ今日を生き延びて明日を無事に過ごしたいと願ってるだけというのが泣ける
孤独という意味ではエポニーヌとジャンバルジャンは似ていて、マリウスからコゼットへの手紙を届けに来たエポニーヌにジャンバルジャンが優しく「危ないから気をつけて帰りなさい」と言ってくれるのがなんかそれだけで泣ける
ONE DAY MOREの最後、赤い旗が振られる
シンプルな演出なんだけどグッとくる
同じ感じで好きなのはフィナーレの歌
メロディとしては「民衆の歌」なんだが歌詞も違うしそれまでに死んだ人たちもみんな出てきて肩を並べて歌う
ていうかメインキャストほとんど死ぬからアレなんだけど
貧しさのために死んだファンティーヌが笑顔でこの歌を歌ってるだけで泣ける
アンジョルラスも歌ってるけどもうあの妄信的な表情はなく、死ぬ間際の辛い表情でもなく、グランテールと並んで穏やかな表情で歌う
エポニーヌももう孤独じゃない
ジャベールもジャンバルジャンも、もう追わなくていいし追われなくていい
ラブリィレイディたちももう客を取らなくていいし、ファクトリーガールたちも働かなくていい
「鎖は切れ人は神の庭で自由に生きる」という歌詞があるのだが、みんな恋愛したり友と語らったり苦しんだり戦ったり人をだましたり陥れたり傷つけたりしてるのは自由になりたくて無我夢中でやっていたんだなぁと思う
この歌の最初にジャンバルジャンが歌う「愛することは神の顔を仰ぎ見ること」というのが、キリスト教徒でもないのにグッとくる
愛することは神の顔を仰ぎ見ることなんだなぁ。
生きるって素晴らしいなぁ