とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

沼にハマらずに済みそうな話

落第忍者乱太郎」というマンガがある。

落第忍者乱太郎(1) (あさひコミックス)

Eテレアニメ「忍たま乱太郎」の原作漫画で、アニメとはひと味ちがう。

作者の日本の中世史の知識がスゴいみたいで、かなり現実的な忍術の描写が多い一方、メタ的なギャグや「アルバイト」みたいな現代の言葉を平気で使う感じがシュールで面白い。

あとなんか、たとえば乱太郎たちが廊下を歩くシーンで壁に「あわてるこどもはローカでころぶ」とか筆書きの貼り紙があったりして、なんかそういう意味わかんない細かさみたいのが好きだった。あわてるこどもはローカでころぶ…なんかこう残る感じ。

で昔大好きで単行本も揃えてたのだが、年2冊くらいのペースでしか刊行されないのでどこかの時点で引っ越しなどをきっかけに売ってしまい、その後は特に関わりなく生きてきたのだが、このたび再び単行本を買う運びとなった。

 

きっかけはpixiv。

私のpixivの使い方としては、最近ずっとハマってたレミゼラブルやここ数年ハマってるジョジョのイラストを見てはワ〜上手〜とか言ってブックマークしたりたま〜に自分もイラストを上げてみたりしてる。

ブックマークをしていくとpixivが好みを把握するのか、「こんなのも好きでしょ」と作品がリコメンドされたりするのだが、だいたいはレミゼラブルやジョジョなのだが、その中に突然落第忍者乱太郎の土井先生のイラストが混じったのであった。

土井先生はねぇ…良いんだよねホント。

幼少時の私の初恋の人であったといっても過言でないし、そういう人多いと思う。賢くて優しくて礼儀正しくて面倒見がよくてだいたい誰かに振り回されてる、みたいなのが良いんだよね。幼少時の私は土井先生を中心とした、落第忍者乱太郎の「箱推し(なんかメンバーみんな好きなこと)」であったと言ってよい。

で、またそのイラストが上手で、原作の世界観を残しつつも自分のイラストにしていて、ホェ〜となったのであった。

そうなると、自分がまだ読んでない単行本を読みたいな〜という気持ちが高まってしまったのだが、そんなあらかじめ決められた沼に自ら落ちることある?と自問自答が始まったのであった。

 

沼は苦しい。

めちゃくちゃ楽しい一方、もう対象以外のインプットができなくなるという意味ですごく不自由で苦しいよね。今回レミゼラブル沼をやっと抜け出して、「普通に大好き」な状態に戻せたわけだが、沼の底にいた約3ヶ月間、レミゼラブル以外で何してたんだか思い出せないし、沼の底でちゃんと呼吸ができてたのかどうか疑問。熱しやすく冷めやすいのでこういう一気にハマるハマり方は危険なのだ。

 

というのを分かった上で敢えて自らハマりに行くのか?という自問自答をしているさなか、たまたま地元のブックオフに行く機会があり、結果こうなった。

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100円コーナーにあったのでラッキーだった。ちょっと恥ずかしかったので1番上にジューサーの本を乗せたのだが旦那には秒でバレるなどした。エロ本を買う男子中学生の気持ちだよ!

 

で夜、ムスメを寝かしつけてから読んだのだが、なんか思ったんと違う。なんか違う。

ストーリーとかギャグとか用語の詳細な説明とかは昔のままだが、違和感がすごいし読んでて疲れる。

いくつか原因を分析してみた。

 

・線が太い

→画力が上がって昔よりも力強い線で描かれてるのだが、描き込み量がすごくて登場人物も多いのでコマの中に常に人がひしめく感じで息苦しい

・キャラが多い

→上級生が登場するようになり世の婦女子の絶大な支持を得ているという情報は聞いていたのだが、確かに若くてカッコいい上級生の面々がものすごくたくさん登場する。ファンが付いたからなのか意味もなく登場したりするサービスショット的な展開が多くて気が散る

・不条理なギャグが増えてる

→これは昔からだけど、昭和の笑いがふんだんに使われていてそれはそれで面白いのだが、なんか無意味に爆発があったり無意味に怪我したりみたいなシーンがだいぶ増えてて違和感。勢いだけって感じがしてしまう。キャラが増えてる弊害だと思うけどそのへんが適当になっちゃってるのかねぇ。ストーリーもなんか無理やり大運動会!とか無理やりサバイバル!みたいなのが多くて読んでて疲れる。ちゃんとしたストーリーの話もあるんだけども。

 

てな感じで楽しんで読めず…正直がっかり感があった。

↑で買い込んだ本も何冊か読んでそのまま置いてあり…メルカリで売るか。

たぶんだけど、なんか昔のキャラが少ない感じが「家族」みたいな感じがして好きだったんだよなー。家族がわちゃわちゃ楽しく暮らしてて、そこへ闖入者が事件をもって現れ、慌てながらも家族みんなで力を合わせて解決!みたいのが良かったのかも。人数が多いとそれだけでアウェイ感があるのだろうか。懐古厨??

たぶん読んでたゾーンと今回読んだゾーンに隙間があって、ミッシングリンクがあるんだろうな。順々に読んでいけば違和感は少なかったのかも。

 

でも面白かったとこがあり、土井先生の裏設定について触れられたとこがあった。

ジョジョ荒木飛呂彦先生も言ってたけど、だいたい漫画家の頭の中にはキャラクターの「履歴書」があり、漫画本編には出てこなくてもその履歴書を基に漫画を作っていくとか。乱太郎の作者の尼子騒兵衛先生もそうらしく、土井先生の履歴書を紹介しておった。

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こういう経緯だったんですなぁ。山田先生が命の恩人だったのか。山田先生も良いんだよなぁ。厳しくも優しいって感じで!息子の利吉とのドライな感じも良いし奥さんにアタマが上がらないのも良いのよね。

 

いま思ってるのは「沼にハマらずに済んでよかった」っていうことと「昔読んでたあたりの単行本を読みたい」という2つの相反する感情。前半買い直すかなー!どうしよう!

ちょこちょこ買い足すか、立川まんがぱーくで一気に読んでくるか…しばらく有休ないから難しいかなー。

 

まあとりあえず、危険な沼のハマり方はしておらんという記録でした。おわり。