HDDの容量を空けたくて、けっこう前(確認したら半年以上前)に録っておいた金曜ロードショーの「パラサイト」を観た。
アカデミー賞をとったというので観てみたかったのだが、想像以上にすげー映画だった。面白かった!
【警告】ここから先は(ネタバレを含むので未見の人は)読んではいけない
なんていうか全体的にコメディチックなのがまず良い。重〜い感じにしないのが見やすいね。
良かったのは、上流家庭を騙してパラサイトしてる主人公一家が根はいい人というか、良心の呵責があったりブルジョワへの反抗心があったりして、人間味があったところ。こういうスリラー映画だと、こういう詐欺を働く人たちとかはどこか人間の心を失ってるというか、頭脳明晰だけど頭がおかしいというふうに描かれがちなんだけども、特別な才能はない代わりに人間味があって、しかも意外と家族愛があるというのが良かった。お母さんが陸上の選手だったこと、お父さんが運転の仕事をしていたこと、妹がフォトショを使えたりすること、そして主人公が本当はいい大学にいけるくらいには頭がいいこと、みたいな、普通の人の中にそれぞれある長所が自然に描かれた上で、半地下から抜け出すために一世一代の度胸でパラサイト計画を進めていく。なんかこういうのけっこう好きだなー。「オーシャンズ8」とか「ナオミとカナコ」とかもちょっと近いけど、女が普通に苦労して犯罪を働く映画って好き。普通のギャング映画とかだと、女はだいたいすげ〜美人で、美人局やハニートラップ担当みたいなとこあるイメージだけど、この映画でお母さんが鬼の表情でジャージャー麺を作りまくるシーンとかグッとくる。
最後の方は想像以上に凄惨だったけど、お父さんが社長を刺したのはすごくわかる気がしたし、すこ〜しだけスッとした。刺されてるジェシカより卒倒してるだけの自分の息子を優先していたしね…。結局ジェシカは死んじゃうし。
ラストの主人公の妄想が本当になる気がしてしまった。自力であの家を買う、というのはすごく力強いラストだな〜と思った。
スプーン階級論というのが韓国にはあるらしく、親のステータスや経済力で子供の人生は決まってしまい、それを覆すことはできないというつらい理論。そういうのが背景にあってこの映画ができたんだろうな。
この映画のWikipediaを見てたら面白いのがあった。
トランプさんTwitterで刺されるの巻だった。いいね。