とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

平家の話 前半

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週熱心に観てはいるのだが、あまりに陰惨な展開(史実)なのでじゃっかん気が滅入ってきた。でも改めて平安末期が面白いっていうのは感じて、2012年の大河ドラマ平清盛」を見始めたらハマった!

基本姿勢としては王道大河なのだが、主人公が平清盛というアンチヒーローである点とそもそも平安末期が舞台という点が珍しいところかなと。

いま24話まで観終わったので、前半戦の感想!

好きなキャラベースで感想を書いてく〜。ネタバレあるのでチューイ!

 

平清盛

松山ケンイチがスゴい!眼力が鋭くてタダモンじゃない感じがする。平清盛ってほんとにこんな感じだったのかも…と思えるのがすごい。鼻も高くて横顔が美しい〜!

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美しいけど若い頃は全体的に服装とかをわざと粗雑に描かれてて小汚いのがイイ。平家の棟梁になってから服装がガラッと変わって、肝が据わった感じが表れててよかった。子ども時代はまえだまえだの前田旺志郎が演じてて、目がツリ目で似てるから本当に松山ケンイチの子ども時代みたいで良かった。育ての母に心からは愛してもらえなくて苦しむ様とかが丁寧に描かれてた。

長男だけど血が繋がってなくて、いろんな粗相もあって平家の棟梁にふさわしくないのでは?!みたいな流れのところ、棟梁になりたいけどみんなが言うことも分かるしみたいな、雨に濡れてしょげた犬みたいな風情がなんとも言えず共感しかなかった。その気持ち分かるわ…。弟とも仲良かったしね。

プロの曼荼羅描く人から、最後に描く仏様のクチビルの色を入れるように言われて戸惑いつつも、身に付けてた刀とか装飾品とかをスルスルって外す所作が、粗暴に見えて育ちが良い感じが出てて良かった。

あと朝廷で歌を詠めと言われて「重盛に元盛それに清三郎〜」というような謎の歌(本当は深い意味がある)を詠んでみんなに呆れられるシーンがあるのだが、その歌を平然と詠みあげるとぼけたような感じがすんごい良かった。清盛感あった。

平忠盛

清盛の育ての父、通称パパ盛。中井貴一が良い味だしとった。若い頃の心の軸ブレブレ期から、壮年になって風格漂うところまで、説得力のある演技だった。平家の皆から信頼を寄せられてしかるべし!って感じ。清盛を長男として立派に育て上げつつ、実の息子の家盛が棟梁になりたいと言い出すと動揺してしまう人間らしさも描かれてて良かった。そりゃそうだよね…。最期の清盛とのチャンバラシーン(夢)も良かった…パパ盛と清盛との絆を感じた。

平忠正

清盛の叔父で、血の繋がらない清盛になにかとつらく当たるんだが、それは平家を想う気持ちが強いことの裏返しなんよな…。ドラマを観始めた頃から、中盤に「叔父を斬る」というタイトルの回があるのが分かってたので、いつか清盛と忠正がいよいよ折り合いが付かなくなって殺し合いになるんだろうな…と思ってたけど、あんな切ない形で袂を分つとは…。清盛に反発する弟の頼盛の身代わりとして敵方に回ってくれたんよな。そして朝廷から死罪を言い渡されて清盛が忠正の首を斬らねばならなくなって…ほんとに悲しいシーンだったわ。清盛がどうしても斬れなくて泣きが入ったときに、忠正が「わしはこれから黄泉にて兄上に会う!その時に言うてほしいか!清盛を棟梁に選んだ兄上は間違っておったと言うてほしいかっ!!」って一喝するんよな。そして清盛に首を斬られる…。このシーン本当に泣けて泣けて仕方なかったわ。なんだかんだ言って忠正は清盛を認めていたし、あんな戦がなければ口うるさい叔父として清盛を支えてくれたはずなんよ…。ほんと平家の皆がかわいそうだった。

源義朝

「鎌倉殿の13人」で今のところかなり陰惨な印象しかない源頼朝の父。棟梁になるために自分の息子に実弟をぶっ殺させて刀を奪うなどしていて、頼朝に流れる陰惨な血脈を感じさせる。でも清盛にライバル心剥き出しだったり、関東でモリモリ家来を増やしたり(その中に鎌倉殿でも出てくる三浦氏がいた!)、父を斬首しないといけないシーンでどうしても斬れなかったり、才能があって血気盛んで未熟な、エネルギッシュな若者として描かれててとても良い。玉木宏が演じてるのだが、私の中の玉木宏像が崩れるほどワイルドで良い。由良姫にもっと優しくしてやってほしさはある。

藤原頼長

藤原摂関家復権を目指すマロ眉の人。山本耕史がイケメンすぎて驚く。マロ眉がこんなイケメンに見える人おる?!頭が切れて感じ悪い役をやらせたらヤマコーの右に出る人おらんな。清盛の弟の家盛を手篭めにするなどアクの強いシーンが多く、当時のTwitterを沸かせたらしい。でも最期が迫るなか、動揺して大事なインコの入った鳥籠持って逃げ出すところとか、逃げる籠から大量の本がこぼれてそれをかき集めようとして矢に射られるとか、瀕死で実家の父を頼るも父は頼長を見殺しにせざるを得ず、絶望して泣きながらベロを噛んで死ぬとか、なんだか悪役ながら胸が締め付けられるようだった。しかもそのあと焼け落ちた館から日記が発見されて、頼長なりに考えてめちゃくちゃ勉強してたし朝廷にはびこる不正を糾弾したりしていて、それは私腹を肥やすためではなく良い政治をしたいと願ってのことだったってことがはっきり分かるという構成になっていて泣いた。

頼長が死んだ翌朝、まんじりともせず朝を迎えた頼長の父のところに瀕死のインコが飛んできて、チチウエ…チチウエ…と喋って息絶えるのだが、ここもめちゃ泣いた。國村隼、我が子よー!!!って絶叫して泣いてた。國村隼と一緒に泣いたわ。

・時子

清盛の2人目の嫁。早世した1人目の嫁は明子といって身分は低いながら有能で控えめな「良い嫁」だったのに対し、時子は源氏物語が好きで夢見がちな、ちょっと抜けたとこのある嫁。清盛も折に触れて憎まれ口を叩くなどする。

清盛が大事な話をしてる最中に口あけて寝てて、清盛がイラッとしながらも口をパコッと閉めてやるシーンが良かった。

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至らない点もあるけど愛情が深くて、子どももたくさん産むし、前妻の子も分け隔てなく愛するところがとても良い。清盛が棟梁になれないかも…みたいな流れの時に、時子の周囲は離縁を勧めたりするのだが、なんの迷いもなく「清盛様が私のたった一人の光る君です!」と言い切り、弟と抗争になってしまって傷つく清盛を「仲の良い兄弟だったのだからさみしいのは当たり前(だから我慢せず泣いていい)」と慰める。時子と清盛が今後もっと強い絆で結ばれていくんだろうな、というのが楽しみ。

 

他にもたくさんたくさんいるのだが外せないところを書いてみた。後半戦も楽しみ!!!