とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

多様性の科学の話

会社の図書館で本を借りて読んだ。

多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織

これ興味深い点多すぎてフセン貼りまくった。そして読むのに時間がかかって、読み終える頃には最初の方の内容忘れてた。また読もう。

でもせっかく読んだので心に残ったところ記録。

 

・採用・選考などの時、自分に似た人を選びがちな傾向は同類性選考と呼ばれる

・「能力の高さと多様性は共存しない」と信じられてきた(けど現在は変わってきた)

・問題の解決には、「正しい考え方」だけでなく「違う考え方」をする人々と協力することが欠かせない

・同じ考え方をする人たちは「盲点」も同じである可能性が高い(同じものを見逃す)。しかもその傾向を互いに強化してしまう(ミラーリングと呼ばれる現象)=自分達は正しいと信じてしまう

・エコーチェンバー現象は、カルト集団のように一切外の情報を入れないわけではない。反対意見も適度に入れつつ、それを仲間で叩き潰すことにより、いっそう自分達は正しいと信じ込む

・意見を肯定されると快楽中枢が刺激される。だから人は同じような意見の人と群れたがる

・性別・人種・年齢・性的嗜好などが多様であっても、育った環境・学んだ知識の内容などが同じであれば、それは多様性があるとはいえない

→「類は友を呼ぶ」を科学的に言うとこう、という内容。自分と外見や考え方や価値観が近い人と一緒にいるのがそりゃ楽だよね。意見を肯定されると快楽中枢が刺激されるというやつわろた。快楽を得てたのか。違う意見聞いても快楽を感じられたら多様性どんどん拡がるのになー。

あと外見とか人種の多様性と中身の多様性はまた別、ていう話がちょっと新鮮だった。若い黒人女性と中年白人男性の経済学者がいても、同じ大学の同じゼミの出身ならほとんど多様性はないよね、みたいな話だった。

 

・画一的なチームと多様性のあるチームでワークをやると、多様性のあるチームは議論がすごく大変だが正解に行き着く確率が高かった。画一的なチームはスムーズに話し合いが進むけど回答は間違いがちだった

・チームであることの意味は有益な情報や知識の共有にある

・頭が良くて社交的でない集団よりも、頭はそこそこでも社交的な集団の方が新しいイノベーションを起こせる

・テイカー(taker=受け取る人)とギバー(giver=与える人)がいる。できる限り他者に価値を与えようとする人ほど成功を収める

・自分の知識やアイデアを人と共有できる人は、その場限りでなく長い目で見て大きな見返りを得られる

→IQが高くて非社交的な集団とIQがそこそこで社交的な集団だと、社交的な集団のほうが科学的に見て大きなイノベーションを起こせるというのは、意外で面白かった。肌感的には分かるけど科学的な裏付けがあると言われるとすごく心強い。ギバーとテイカーの話もすごく分かる。会社にKさはらさんという「みんなの母」的な人がいるけどその人は典型的なギバー。物の分かってないおじさんとかだとナメられていじられたりするシーンもあるけど、それ以外の同僚からは着実に信頼を得ていくタイプ。いいなー。

私もギバー感覚を身につけたい。競争意識強いタイプはテイカー要素強い気がするな。ギバーの本読もう。あとKさはらさんを真似してみようかな。でもだいぶタイプ違うからなー。でも良いところを真似るのは絶対良いはず。

 

・支配的な人・上司がいると、その人が好む回答を準備しがちになり、多様性のあるチームではなくなる(ヒエラルキーによる抑圧)

・支配型ヒエラルキーと尊敬型ヒエラルキーの2種類がある。支配型は多様性を抑圧するが、尊敬型は多様性を促進する

・支配型と尊敬型は性格によるものではなくテクニックともいえる。とにかく突き進まねばならないときは支配型、多様な意見が必要なときは尊敬型など

・尊敬型ヒエラルキー心理的安全性を保証する

・チームに支配型ヒエラルキーがある場合、ブレスト時に誰が言ったか分からないようにするなどの工夫が必要

・会議で自分ばかり話している人は自分ではそれを認めない

ヒエラルキーに2種類あるというのは新鮮だった。尊敬型ヒエラルキーの尊さよ。↑のギバータイプが尊敬型になるんだろうな。尊敬型か支配型かは性格よりもテクニックによるところ大って書いてあったから私も希望を捨てずに頑張ろう。あと会議で話しすぎる人のくだりは、ちょうど昨日の会議でしゃべりすぎたなーと思ったところだったのでドキッとしたから修正しないと。

ちなみにうちの後輩は歳は若いが支配型ヒエラルキーの頂点にいるので大変やりづらい。でも上司変わったのでなんとかなるかもなという気持ち。支配型の場合はブレストに工夫を〜とあったけど、そこまでいくのが難しいよなー。それの必要性、支配型の本人が1番分からないだろうしな。

 

・熟練して深い知識があるからこそ、現状にとらわれやすい。第三者マインドセットが必要

・第三者視点は物理的な移動だけでなく、研究分野やビジネス分野を横断することでも生まれる。意識的に越境したり、前提を疑ってみたりすることで第三者視点を持てる

→第三者視点は普段から意識はしていたけど、自分が思う以上に部署や会社の価値観に染まっているんだろうなと思った。意識的に越境したりしないとなー。

 

・無意識のバイアスは社会のあらゆるシーンで影響を及ぼす。バイアスの影響を受けないひと握りの人間を除いて、社会構造的なバイアスとなって人の意欲を奪う

→これはジェンダーフリーの本とかでほんとよく見るやつ。ゴールが遠すぎて目指す気が起きなくなってしまうというやつ。ゴールが割と近くに見えてた人たちからはそれがわかんないから「あいつらはなんでゴールを目指さないの?怠惰なの?」てなるってやつ。そしてその人たちにより社会構造が作られていくから、さらにゴールが遠くなるってやつ。これなんとかしたい。一隅を照らしたい。

 

・仕事は変えられない彫刻ではなく、自由に組み替えられるブロック

・ブラウザFIRE FOXやクロームの人とSafariIEの人だと離職率に有意な差が出た。与えられたものをそのまま受け入れる人と、より良いものを追求する人の差と考えられる

→ブロックの話、ジョブクラフティングのウェビナーで聞いたなー。とてもいい考え方と思った。仕事を再構築して自分の価値観に合うやり方に変えていくってやつ。同じことをするにしても楽しい方がいいもんね。

ブラウザと離職率の話めっちゃ分かると思った。ブラウザは一例で、何につけてもより良いものを選ぶのって、より良く生きるための手段だと思うんよなー。これは自分はその傾向にはあると思うから、それを建設的な力として伸ばしていきたい。

 

あと例示として、白人至上主義一族のサラブレッドとして生まれそのように生きて来たデレクブラックが、ユダヤ人の親友の力で考えを変えることができた、みたいな話が感動的だった。そのユダヤ人の友人、デレクが白人至上主義と知って周りの友人たちがデレクを鼻つまみ者として扱う中でも粘り強くデレクを夕食会に誘って、まず信頼関係を作って、フラットな状態で政治的な議論を始めたというやつ、本当にすごいと思った。あと、同じことされても考えを変えなかった人もいると思うが考えを変えられたデレクも偉いと思った。この話もうちょっと深く知りたい。

 

 

図書館で借りたのにAmazonでも買ってしまっててあちゃ〜と思ったけど、良い本だったから売らずに取っとこうと思った。