オデッセイの原作を読んで震えるほど興奮したので、4年前に観た映画版を再度観てみることにした。アマプラで。
で、いま通勤中に観終えた。感想としては、記憶通り面白かったけど、やっぱり後半物足りないというか、前半の鉄腕DASHぶりが影を潜めてしまうのが残念。というのも、原作ではもう頭から終わりまでずっっっと鉄腕DASHなのである。映画で見どころになってる「火星でジャガイモを作る」というのはほんの序の口で、ありとあらゆる想定外の事態や事故がマークを襲い、それらに対して愚痴ったり毒づきながらもまったく希望を捨てずに自分の知識や経験を総動員して解決していくところがもう最高に面白いんよな。映画だと後半はもうNASAのパワーゲームみたいな感じになっちゃうからなー。原作にもその側面はあって、火星では鉄腕DASH、NASAではアルマゲドン、みたいな展開になるのがまた面白いんよ。でもそれぞれ自分の裁量権内で力を尽くす、ってところが最高。
映画の良かったところは、原作だと言葉で説明してあって分かりづらい軌道の話とかを分かりやすく映像で表現してるのがやっぱり良かった。映像の強みだね。映像で表現というのも工夫してあって、人を立たせて火星に見立て、宇宙船に見立てたホッチキスでその周りを回る、みたいな。頭の良い人の例え話って感じで良さがあったね。
でも映画版で、終盤で船長がベックの役割を奪って宇宙遊泳に出ちゃうのはダメだと思った。仲間を信じてないみたいになっちゃうからな。アレは改悪だと思う。原作通り、それぞれが自分の持ち場で訓練の成果を発揮する、ってした方が良かったと思うなー。
4年前に映画を観て、なんとなくのストーリーを分かった状態で本を読んで感動して、また映画を観て、本の中に出てきてこんな感じかな〜と想像してた宇宙船の形や登場人物の造形を映像で観られてすごく良かった。この映像を念頭に置いて、もっかい本読みたいわ。