とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

炎環の話

「鎌倉殿の13人」以来のマイブームで平安末期〜鎌倉初期の本を読んでみてる。

 

炎環/永井路子

炎環

短編集で、阿野全成とか北条政子の妹とかがそれぞれ主人公。この時代のドロドロした感じが、より昼ドラっぽく描かれてる。けっこう面白いけど、「鎌倉殿の13人」で時代の流れが分かってるから違和感なく読めたがそうでなければ完全に置いてけぼりにされてたと思うね。人間ドラマが主題だから歴史の流れ的なところは舞台装置でしかないという姿勢が潔いと思った。

なんとなく、悲劇も喜劇もすべて「昼ドラ」的な世界に落とし込まれるというか、女は女の足を引っ張り、男は男と嫉妬し合うみたいな世界観で、平安〜鎌倉時代なのになんか「昭和」を感じるという不思議な体験をした。

総じて、好みかどうかでいうと好みでないかなー…同じ事件を描いてても司馬遼太郎の方が好きだなー。なんかシットリしてるんよな炎環。それが好きな人は好きかもな。司馬遼太郎はドライなとこあるから。

 

同じ時代の他の本も読んでみたい。平清盛が好きだから平清盛主人公の本読みたいと思って検索してみたけど、出色の作品は無いみたいだね…なんかラノベみたいなのばっかり引っかかってくる。残念。