とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

九州新幹線の話

今日の日経にJR九州の偉い人の「私の履歴書」が載ってた。九州新幹線全線開通の時を振り返ったコラムだった。

2011年の3月12日が全線開通だったんよな。そこに向けて九州全体大盛り上がりだったけど、全線開通の前日に東日本大震災が起きちゃって、いろんな式典とかCMとかもぜんぶ自粛になっちゃったという話は聞いていた。

コラムによると、九州から東北が遠いこともありピンと来てないスタッフも多く、規模縮小して式典実施できないかという声もあったけど、トップが「これは国難だ」と判断して全て取りやめたらしい。

 

開通の1ヶ月前の2月12日に試運転があって、同時にCM撮影が行われたらしく、沿線や駅で盛り上げてくれる人を募集していたけど、蓋を開けてみたら応募者でもなんでもない沿線の住人たちがみんなこぞって沿線に集まり、思い思いの服装で新幹線に向かって手を振っていたという。

この時を振り返った文章が泣けるから引用。

新幹線の中のスタッフは全員、感動し泣いていた。言い出しっぺの私も涙が止まらない。カメラマンも撮影しながら涙を流している。集まってくれた人は2万人を上回り、想像をはるかに超えるCMとなった。

そのCMがこちら。

祝!九州 九州新幹線全線開通CM180秒

これなんかもうめっちゃ泣ける。衣装とか着て張り切ってる勢ももちろん微笑ましいのだが、それ以外の「なんかあると聞いて」みたいな普段着の住人たちが味があるよな。「旗とか振ると良いと聞いて」みたいな、なんか会社とか家にあった適当な旗を振ったりしてるのがウケる。「ブルーベリー狩り」とか書いてあったりして。

なんか全然強制されてない、ほんとに「新幹線が通ってありがたい」と思ってる沿線の人たちの喜びが伝わってきて本当泣ける。便利だもんね新幹線…。でもなんか、新幹線の駅がない地域なんかだとむしろ「新幹線なんて!」みたいな気持ちになりそうだけど、そういうのも含めて「新幹線ありゃ何かと便利なんだから!」みたいな地元の明るさを感じる。

あと駅員とかJRのスタッフがさすがにテンション上がってイェーイってなってるのも微笑ましい。逆に全員揃って敬礼してるのとかもエモい。ロングバージョンにあった運転手交代のシーンも、運転終えて降りてきた運転手が「帰国した大谷さん」みたいな熱烈歓迎を受けて最初めっちゃ驚いて、そのあと照れくさそうに笑顔で手を振るみたいなの、ほんと良い。

なんかCM全体見てて、こういう時に扮装するなら全員で色を合わせたりとかのほうが目立つね!レインボーカラー×7人よりは、1人1色で7人合わせて虹、の方が明らかに目立つ。遠目に撮影されるから1色あたりの面積が広くないと目につかないんだねー。何かの折に覚えとこ。

あとすごいこれはアレなんだけど、映像10年以上前というのもあって、画質がイマイチなんよなー。特に速く動いてる時の映像が乱れて表情とかがよく見えないんよ。リマスター版出してくれんかの〜。頼まぁ。

 

これが震災の直前ってのがまたねぇ…。このCMに映ってるような、日々真面目に生きてる市井の人々が東北にもいて、その人たちがある日突然大地震津波で大変なことになったとか考えると胸が塞がるよ。九州だってそのあと熊本の大地震で大変だったろうし。東日本大震災の被災者がこのCMを見て元気が出たとか泣けたとかって話も聞いたけど、ちょっとわかる気がしたよ。

 

日々を大事に生きていきたいものですね。