とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

赤毛のアンを読む話

Netflixの「アンという名の少女」にどハマりしており、それがEテレで放送されているので大いに楽しんで観ている。しかし北京オリンピックで1ヶ月ほど放送がないというつらい現実があり、仕方ないので原作を読み返して心を慰めることとした。

 

しかし新訳で読みたいな〜と思うと古本も売ってなく、図書館にあったので予約したものの、なかなか回ってこない。仕方ないのでAmazonで新品を購入。

 

そして読んだ。目に入るもの全てをバラバラにして口にいれずにいられないニコの妨害にも屈せず読んだ。

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なんかめちゃくちゃ面白かった…こんなに面白かったか?以前はアンの気持ちで読んでたけど、いまはマリラの気持ちで読んだわ。以前読んだ時はアンが大人になってくると事件が起こらなくなってつまんなく感じた記憶があるけど、今はむしろ心の動きとか人々の愛情とかそういうところが面白すぎる。マリラの心情とかで泣いた。

あと文章にいちいちウィットが効いていて笑ってしまう。例えばアンがやらかしてダイアナに誤ってワインを飲ませてしまって出入り禁止になってしまった際、2人は大袈裟な別れの儀式を行うのだが、アンが「おおダイアナ!汝のぬばたまの黒髪を一房、我に与えよ!」とか言うのだが、そこの文章が「ダイアナは「何か切るもの持ってる?」と現実的な質問をした。」とかになってて、めちゃ冷静〜とか思ってフフッとなってしまう。

 

ドラマを観た後だから、人物の造形がありありと目に浮かぶというか、アンやマリラやマシュー、ギルバートやダイアナ、ジョセフィンおばさんやリンド夫人、もう本から出てきたのかと思うほどドラマでの再現性が高い!すげーよほんとキャスティングが。

ドラマではそこにバッシュたちオリジナルキャラが自然に入っていたり、ビリーみたいに原作とはかけ離れたキャラとして登場する人がいたりして、その違いもほんと楽しめる。

ストーリーは大幅に改変されてるのだが、地味な改変もそこかしこにあって、例えばアンが髪を黒く染めようとして緑色になってしまう話とかは、原作では行商人に騙されて粗悪品の染粉を買わされた、ていう感じだけど、ドラマでは仲良しの行商人からちゃんとした染粉を買って、一度は黒に染まったのだがやっぱり違和感を感じて赤毛に戻そうとして洗濯の漂白剤をかけたら緑になってしまった、っていう風に変わってる。ドラマの方がリアリティあって面白いな、とかも思った。

原作読み返して、原作原理主義の人がドラマのアンという名の少女を酷評する気持ちが少しだけ分かった。原作の世界がすごく優しくて甘やかだから、ドラマのスリリングでリアリティがある感じが原作を冒涜したと感じるんだね。私はドラマの感じもすごく好き!別物というか、質の良い二次創作って感じだね。

 

原作の続編ももうAmazonで買って、今日届くはず。ドラマも続編作ってほしいなぁ本当に。。