とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

シロクマのことだけは考えない話

近所のブックオフが閉店する時に投げ売りされていた文庫本をなんとなく買って、やっと読んだ。

 

シロクマのことだけは考えるな!/植木理恵

シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術 (新潮文庫)

心理学の要素を身近な例で分かりやすく教えてくれるやつ。タイトルは「シロクマのことだけは考えるな」と言われると逆にシロクマのことが気になって気になって仕方なくなるという心理について書いてる。おもしろいね〜。

勉強になったのは↓のあたり。

 

・人は大体のことを半年経てば忘れる(飽きる)。忘れたいことは「考えないようにする」といつまでも忘れられないので、逆に徹底的に考え抜き、気持ちを数値化して日記に毎日詳しく書くくらいのことをすると、ある日「もうこれめんどくさいな」と思い、飽きる=忘れるフェーズを迎える

→当たり前なようで斬新なような。なんか失恋を忘れるのが男より女の方が早いみたいな話も、女の方が女同士で愚痴りまくる(=気持ちを言語化する)機会が多いから、みたいな話はよく聞くしな。忘れたいことは言語化するのが良いんだねぇ。実践してみよう。

・イヤな状況(緊張したりとか)に陥ったら、気にしないようにするのではなく、逆に自分で自分を実況中継するくらい詳細に見つめて言語化してみると、意外と大したことじゃないと思えて冷静になれる

→これも1個目に近いけど分かる気がするねー。素直に言語化するのが一番というのは理解した。

・音楽は、明るい気分の時は明るい曲を聴くと「気分一致効果」により一層盛り上がった気分になったりはするが、悲しい気分の時に明るい曲を聴いても逆に落ち込む。中島みゆきとか聴いてとことん落ち込んだ方が復活が早い

→これも分かる気がする〜。凹んだ時はバックホーン聴いたりしてたな昔は。悲しい時に楽しい歌ってたしかに上すべりするよな。

・落ち込んだ時は明るい気晴らしより、同病相哀れむみたいな傷の舐め合いの方が復活が早い

→これは実際にやってみないとわからんなー。傷の舐め合いってドツボにはまっちゃいそうな気もするが。でも凹んだ時って「でもそれってこうすればいいんじゃない?」より「わかるよ…つらいよね」の方が嬉しいかもね。でも人選を間違えると「お前に何がわかるってんだ」が発動しちゃうよね。

・あるコミュニティでの自分はそれぞれコミュニティごとに「ペルソナ」を持っている。ペルソナをたくさん持っている人の方が、何かでひとつのコミュニティを失っても心が折れにくく、幸福感を感じやすい

→これは完全に同意。ここ5年くらいは特に意識してる。仕事やってる自分、妻や母親の自分、バンドやってる自分、友達と遊んでる自分、みたいないろんな面を持った多面体的人間でいたいって思うよね。それでいてどこにも軸足を置かずに「自分は自分」みたいに思いたいな〜みたいな。

・「カクテルパーティ効果」は雑踏の中でも自分に関する情報は聴こえてくるやつ。心理学上ではそれ以上に、自分の考えに合う情報はよく耳に入り、都合の悪い情報は耳に入らない。それは「自分を肯定したい」という本能。その本能を超えて、耳が痛い情報にいかに耳を傾けられるかが、人間の器を育てる

→そーだよなー。でもそれが一番むずかしいよなーとも。同じ話聞いてても、それぞれ自分が聞きたいところを聞きたいように受け取るしね。会議とかだと議事録とかでまとめるの大事よね。

・メモは客観的な情報を箇条書きにする。主観を書き残してしまうと、それ以上考えが広がりにくくなる。引っかかったところはあえて言語化しないで一晩寝かすのがよい

→これは発想なかったので斬新だった。すぐ言語化した方がいいのかなと思った。たぶん引っかかったところを「引っかかった」とメモっておくくらいに留めて、あとでじっくり考えた方がいいよってことなんだろうけども。実践してみたい。

・兄弟の「下の子」は幼少時から上の子をモデリング(真似)する習慣がついていて社会人になってもうまくいくパターンが多い。会社でも意識してモデリングする相手を見つけて金魚のフンになって真似してみるのがオススメ

→最近自分の心の中にロールモデルをメモするようにしてるので渡りに船感。なかなか1人を理想とするのって難しいから、いろんな人の良いところをつまみ食い的にロールモデルにしたいなって思う。思うけどあんまり具体的にできてないから、ロールモデルについてもっと詳しく知りたいな。

・マウスにアメとムチ・アメのみ・ムチのみを与えて学習課題を出してみたところ、最も早くクリアしたのは「アメのみ」のマウス。アメとムチ、ムチのみ、のマウスはムチを怖がってトライ自体をやめてしまった。後輩や部下を育てるなら「アメと無視(スルー)」がよさそう

→これはとてもわかる気がした。ムチなんてそうそう簡単に与えるべきものじゃないよねぇ。Oみやさんが営業時代の上司を尊敬していて、その上司は何か起きた時、他の人だと怒りに任せて怒鳴ったりするところ、怒るのではなく「なんでこうなったの?原因は?対策は?了解。次からそのへん気をつけてな」みたいな感じで言ってくれるらしく、怒鳴られるよりよっぽど反省するし二度と迷惑をかけまいと思うらしい。そういうことなんだよなーきっと。

・「アメと無視」でいくとして、毎回アメをあげるのではなくたまに(5回に1回くらい)意図的にアメを抜くと、より一層相手を夢中にさせることができる

→これはなんかイヤらしいなーと思った。こういう駆け引きみたいのは性格的に向いてないからやめた方が実のため。

・会議では、敵対する人の隣に座り、真正面には味方を配置するのがよい

→これは実践してみよっかなと思った

・人を褒める時はジョハリの窓でいう「本人は気づいていないが他人は気づいている窓」部分を褒めるのがよい

→分かる気がする。あと「本人はこうしたいんだろうな、こう思われたいんだろうな」と思われることを言ったりすると喜ぶよな。ウソはつきたくないから、本当に良いと思ったことは言っていくスタイルにしたい。

・人はやめろと言われるとやりたくなり、やれと言われるとやりたくなくなる。それは自己効力感と呼ばれる、「自分のことは自分で律したい」という高等霊長類に共通した本能によるもの。自己効力感を保つこと=人間らしく生きること

→なんか不倫の話が例にあがっててしょーもないと思いつつ読んでたら自己効力感=人間らしさ みたいな話になって驚いた。でもすごくよく分かるわ〜。会社で後輩にヤンヤヤンヤ言われると本当にやる気が無くなる時があるもんなー。

 

そんな感じだった。ページ数の少ない本だし、親しみを出すためなのか無駄にカタカナになってたり(「なんかカワッテルな?と思う時に…」など)例え話が卑近すぎたりするところとかはかなり違和感はあるものの内容はとても面白かった。参考にして実践してみたい。