とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

生きのばしという名曲の話

「生きのばし」という名曲がある。Theピーズというバンドの曲で、ピーズの曲は全体的にそうなのだが「パッと聴いた感じ全然良いこと言ってる感じじゃないのによく聴いたらめっちゃ深くて内省的」というパターンの歌。

今回改めて歌詞を読んでみると、やっぱり深いし内省的、でも大体意味わかんないな〜と思うなどした。思うところ書いてみる。

 

死にたい朝 まだ目ざましかけて

明日まで生きている

痛み 小銭 眼あけたまま ヤケ起こす熱も出ない

死にたい朝、から始まる曲ってすごいよのー。死にたい死にたいって口先では言ってるのに目覚ましかけてるってことは生きる気まんまんじゃんかよオレ、って朝から内省してるっていう。痛み・小銭、ってとこはよう分からんけど今そこにあったものを描写した感じなのかな。

ヤケ起こす熱も出ない、のところもなんか分かる気がする。心だけならまだしも心身ともに疲れてるとなんだか、ベルトコンベアに乗ってるみたいに知らぬ間に日々がすぎてるみたいなことあるよね。

 

サらしなめられ アタマ下げに

図々しくヘラヘラと

電車ゲロリン オヤジクソガキ

誰も見るな生きている

ここだいたい分からんけど、なに?サらしなめられアタマ下げに…サラリーマンなのかな。謝ることが仕事みたいなことかな。謝ってはいるけど図々しくヘラヘラしてるなオレ、みたいなことかな。オヤジもクソガキもそれなりに頑張って生きてるんだからジロジロ見てやるなってことなんかな。逆か?オレも頑張って生きてるんだからお前らそんな見んなよ、みたいなことか。電車で吐いちゃったのかな?あーそれかも。昨日の夜飲みすぎたんだねきっと。

 

メシ喰ーぞめんどくせーぞ

くたばる自由に 生きのばす自由

ここ好き。くたばる自由に生きのばす自由。希死概念はどっかにあるけどしっかりメシは喰うし、オレは生きてくぜ、って感じする。

 

辿り着く景色だけがすべて

キミの名前はなあに

遠<の島 家族 平和

今にみろで過ぎてゆく

「辿り着く景色だけがすべて」はなんか響く。結局なんか努力しようがしまいが、運にも左右されるしタイミングとかもあるし、なんか「辿り着く景色」がそれぞれあるんだよなーていう。しかも同じ景色を見ていたって人それぞれ感じるものは違うはずだし。勝ち負けとか正解とかじゃないんだよなーって思う。

後半はよく分からん、遠くの島?「今にみろで過ぎてゆく」はこのあともっかい出てくるからキーワードかも。なんかバカにされた時とかなのかな。このヤローと思うけど特に積極的に仕返しをしたりはしないんだろうな。

 

やめよーか 流そーか

焦りたくねーで 生きのばすだけ

また希死概念なのか、それともなにか、「何者かにならねば」みたいな焦りなのか…。何かに向かって突き進む生き方ってシンプルで強いのかもしれないけどエネルギーに満ちていないとすごく疲れそうだもんな。どっかで死にたいとか逆に何者かになりたいみたいな気持ちをみんないだきつつ、じゃあ今!ハイ何する?!とかマイルストーンは?!とか目標は?!KPIは?!とか言われるとアワワってなるし基本疲れてる、とりあえず今日を生きのばすんだ、って感じ。

 

Rock'n'Roll 絵日記 ジンロ 粘る部屋

死にたくなる朝といる

乾けセンタクもん で また明日

どこまでもぬるい景色

今にみろで過ぎてゆく

ロッケンロー、絵日記ジンロ粘る部屋、意味は分からんけど歌うとすごいリズムが良くて歌いやすいんだよな。死にたくなる朝「と」いるってなんか深い。死にたくなる自分を客観的に見てる感じ?こういうパターンでオレは死にたくなるな、って分析してる感じもするよな。そのあと「乾けセンタクもん で また明日」がまた良いよな〜。こいつ死なんな絶対、って感じする。とにかく生きのばしていけばなんとかなるって感じする。でも一方で、何かの拍子に向こう側に行っちゃいそうな感じもする。

 

あの日あの空拝めるのは あの日のボクらだけ

精々 生きのびてくれ

ここ、さっきの「辿り着く景色だけがすべて」につながる気がする。あの日あの空の景色に辿り着いたのは自分たちだけで、それは決して無意味なことじゃないと自分は思ってるけど人には言わんけどね、みたいな。てかこの終盤でボク「ら」って、誰?!改めて聞くと突然の登場人物だな。なんか恋人じゃない気がするよね。友達なんだろーな。

最後が「生きのびてくれ」なの、こうして見ると不思議。タイトル含めここまでずっと「生きのばし」で来て、ここだけ「生きのばしてくれ」じゃなく「生きのびてくれ」なんだね。生きのばし、ってそもそもなんか不思議なワードだけど、「生きのびる」と「生きのばす」だとニュアンス違うよね。生きのびてくれ、は自分じゃなくて誰かに言ってるんだね。自分の場合「生きのばし」で誰かに言う場合は「生きのび」なのか?生きのびる、だと急にまた死が迫った感じする。不思議な歌だなやっぱり。

 

最近ダイニングにアコギがあって興が乗るとすぐ弾くのだが最近は生きのばしを弾いてみてる。旦那はともかく子どもたちはなんか嫌がって妨害してくる。手で弦を押さえると音が出なくなるということを学習してしまったのでだいたい押さえられてる。やめろやー。

生きのばしはなんかセブンコードが多くて、イントロからたぶんD7。セブンコードってなんかこうニュアンスあるっていうか、斜に構えてるっていうか、メジャーコードほど前向きでもないしマイナーコードほど暗くもないし、まさに生きのばしっぽさがあるよね。たぶんメジャーコードで生きのばしを歌ったら何だか、明日も生きてこーぜ!みたいに聞こえそうだし、マイナーコードで歌ったら明日には死んでそうに聞こえそう。セブンコードしかないんだろうな。

 

改めて歌詞読むと思ったよりも深いし思ったよりも意味わからんけどやっぱり名曲だった。ピーズのライブ、また行きたいな。