とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

青い春の話

またブロマンスの話をしますが、こんだけブロマンスブロマンス言ってても未だに「ブロマンス」の定義すら理解できてないという状態である。というようなことを友に話したところ映画「青い春」を薦められたためなんとなく土曜の夜に観てみたら、こりゃもう本当にヤバかった。emotionalだった。

ここからはネタバレがあるのでお気をつけて!!

 

青木と九條のシガーキス(青木が喫ってるタバコに九條がくわえたタバコを押しつけて火をもらう)からの髪の掴み合いからの殴り合い、尊みしか無かった。サイボーグみたいになっちゃった青木の髪が乱れて「お前にできないことをやってやる!」みたいに叫ぶんよな。一方の九條もいつもは死んだ目をして何にも興味持ってないという表情を崩さなかったのに、この時ばかりは髪がグシャグシャになろうが口から血が噴き出ようが青木の髪を離さないんですよねぇ。エモいね。

 

そして最後、青木のベランダゲームの場面…思い出すのも辛いけど本当にすごいシーンだわ。ミッシェルのドロップと共に花とか空とかの概念映像も混じりつつ旭高校の面々や風景が映し出されていくっていう。九條は青木を永遠に失って初めて、青木は大事な友達だったってことを認めざるを得なくなったんよのー。一方の青木もベランダゲームで九條に勝って初めて、俺は九條の対等な友達だって思えたんだろうなって。こんなエモいことある??

 

ていうか他の面々もほんと大変なことになっちゃうんだけど…。甲子園を諦めた野球部の木村はヤクザにスカウトされてヤクザになっちゃうし、オバケは死んじゃうし、ユキオは大田を殺しちゃうし、元番長の舎弟の子は突然失明しちゃうし。ほんとだいたい絶望しかない。でも失明した舎弟に元番長が甲斐甲斐しく寄り添っていたり、野球部の後輩は部員いなくても1人で野球の練習してたり、なんか救いみたいなものはあるような…無いような…。野球部の後輩は絶対いつか木村にスカウトされるよねきっと。

あとすげーと思ったのは、ユキオが進路面談してるときに先生が「ご立派な両親が泣くぞ。」と言うのだが、なんかそのひと言だけでユキオのこれまでの人生というかどんな思いでここまで生きてきたかが分かるようだよねぇ。そのあと大田を特に意味なく殺しちゃうのがさいこぱすぽくて怖かったのだが、本人の中には何か必然があったのかのー。そのあと普通にギター弾いてるのがまた怖かったな。

あと吉村が普通にちょづくの面白かった。吉村の彼女が校門に迎えにきたら男子たちがめちゃくちゃ手を振ってんのもウケちゃったけど私ならあんな高校に自分の彼女呼ばないな…近づけたくないよなw 吉村の浅はかなとこがよく表れています。

 

とかいろいろ書いたけども、もうとにかく最後のドロップのシーンなんよすべては。あのシーンを描くために他の80分くらいがあると言ってもいい。観終わった時に汗かいちゃったもの。涙も出ちゃったし。エンドロールの最後の架空の集合写真もなんか意味深というか。架空じゃなく九條と青木の写った写真があればよかったのに…。

しかしほんと、この映画を見て得たのは、強い絆とクソデカ感情を表現する方法として濡れ場以外もあるよね、という今更ながらの気づき。新たな扉が開いたというか、行くべき道こっち、って感じだった。オリジナルの小説を書こうとしてるけどそこに大いに活かしたいね。