ラッセルクロウ週間の締めくくりとして観た。
【これより先は(ネタバレを含むので未見の人は)読んではいけない】
長かったけど面白かった。アルパチーノの映画初めて観た気がするけど渋くてかっこいい!
ラッセルクロウは序盤から白髪でちょっも髪も薄くて、これ最近の映画?と思って調べたけどやはり20年以上前の映画で、ラッセルは撮影当時32歳とか。若いのに中年男にしか見えんかった。役作りすごい。ベースとしてストレスを受けてる中年男なのだが、ふとしたときに目がアップになったりすると目に力があって大変ベネでした。
アルパチーノは57歳だったみたいだから親子くらい歳が離れてたんだねぇ。同年代にしか見えん。ラッセルが老けてみせてるのもあるしアルパチーノが元気だったのもあるかも。アルパチーノ、飄々としながらも熱い信念を持った記者の役、ほんとかっこよかった!
この映画のいいところは誰もがちょっとずつかっこ悪いというか、完全な人間などいないという前提で作られてるとこかも。ラッセル演じるワイガンド博士に如実なのだが、正義のために不正を告発しようとすると容赦なく妨害が入り、過去の小さな挫折や失敗をほじくり出されて晒される。その感じがリアルすぎて、観ているこっちまでアルパチーノと一緒に「ワイガンドって信用できる奴なのか?」と思ってしまう。奥さんが付き合い切れずに離婚してしまう流れとかももう自然というか当然の流れと思える説得力。
前半と後半で大きく流れが変わるのだが、前半はワイガンド博士が「インサイダー」となり正義の告発をしようとするパート、後半はアルパチーノ演じるローウェルが「インサイダー」となり、テレビ局の妨害をくぐり抜けて、ワイガンドの証言を世間に届けようとするパート。
なんというか「骨太な社会派ドラマ」を地でいく感じの映画だった。華やかなシーンも銃撃戦とかも無いのだが引き込まれた。
そういえばベテランキャスターのマイクはまたあのサウンドオブミュージックのトラップ大佐役のおじさんだった。ビューティフルマインドにも出てたね。実物のマイクの口調や仕草を完コピしてて、本人が驚くほどの出来栄えらしい。
映画の中に出てくる携帯電話がバカデカくて面白かった。なんかセロハンテープの土台みたいなデカさのものを耳に当ててるなと思ったら携帯だった。こういうとこだけは時代を感じるね。
すごく見応えあって面白かったのだが、とにかく全体的に暗くて重苦しくて、観てて息苦しくなるほどだったのでなかなか観るのに体力が要った。