とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

「生きのびるために」の話

タリバンが怖すぎて新聞を読んでたら、この映画がオススメされてたのでこの映画見たさにネトフリに加入した。

生きのびるために

アフガンの少女の話で、タリバン支配下の女たちがどんなにひどい目に遭ってるかという話かと思っていたのだが、女たちもだし男たちもたいがいひどい目に遭ってた。

女が生きづらい社会は、男の中の一部の人にはぬくぬくと生きやすいかもしれないけど、大部分の男にとっても生きづらい社会だっていうのは、なんかすごく分かる気がした。

パヴァーナの父を連行した男も、悪役ではあるけどもっと強い男たちからはヒジでこづかれるような扱いを受けて挙動不審になるし、パヴァーナの父を解放してくれた男はその代償として傷を負う。その傷を負わせた男もきっと長くは生きられないでしょう。

商店街で、パヴァーナに食べ物を売ってくれなかったのに男の子のなりをしたパヴァーナにはニコニコして冗談を言いながら食べ物を売ってくれた男たち、あれが社会の上澄みみたいなとこなんだと思う。「女は父か夫に従う」というトンチキルールがあったとしても、景気が良くて社会がちゃんと回っていて、父や夫が裕福で良い人だとしたら、女もあんまり不満を感じずに生きられるのかもしれないけど、ひとたびその前提が崩れたとき、真っ先に犠牲にされるのは社会的弱者なんだと思った。それは女も子供も老人も、足をなくした男もみんな同じ。強くて背負うものが少なくて運が良い男しか生き残れない社会。それは日本も同じかもしれんね。育児や介護や自身の病気でひとたび休職すれば出世コースから外されたりする話はよく聞く。バリバリ働けて奥さんが専業主婦で家事育児をしなくてよくて、実家が太くて親が健康、みたいな男しか出世できないとすると、それはある意味タリバンと同じなのかもしれん。程度は全然違うけど…。

 

ほんとの意味の多様性って何?と思うなどした。