とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

ハートウォーミングSFの話

面白い本読んだ!

 

わたしたちが光の速さで進めないなら/キム・チョヨプ

f:id:takki_bear:20230306070739j:image

LEEのLINEマガジンでオススメされてた中の1冊。他のオススメが微妙だったのであんまり期待してなかったのだが、図書館で予約してたのが届いたので、まあせっかくだから…って感じで読んでみたらとても良かった。

短編集で、ベースはSF。星新一みがある感じ。でもSF的な設定の上に生きた人間のヒューマンドラマが乗っかってる感じで感動的。あとフェミニズムというか、性別・障害者・人種とかのマイノリティに向けたあたたかい視線がとても良かった。韓国の若い女性作家の処女作らしくて、今後の作品にも期待〜〜文庫がまだ出てなくて単行本が高かったから二の足を踏んで図書館で借りたけど、新作出たら買いたいなぁ。

 

さっき読み終わったけど読後感がとても良い…。なんかSFがベースにあるから、なんか「科学でなんとかできることはなんとかしたらいい」っていう視点と、「でも科学には限界があって、結局人間を幸せにできるのは人間だけ」っていう視点の両方がある気がして、なんかすごく共感できる。

いま会社でもDXだDXだって言われてるし、システマチックにできることはゴリゴリやればいいとも思うけど、システムを入れりゃ終了って話では全然なくて、結局システムをどう使うかは人間しだいだし、働きやすい環境かどうか・成果が上がるかどうかは人間によるスキームの組み方だったり、人間のモチベーション次第だったりするんよなー。そんなことをこの本に重ねて考えてた。理系の頭と文系の頭をうまく組み合わせて、本当にこのやり方が1番効率的で、かつ人間を幸せにするのか?ということを考えるのがDXよのー。

という考えをぼんやり持ってるけど、それを言語化してもらった感じ。オススメ!!!