とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

映画「プラダを着た悪魔」の話

金曜ロードショーでやってた「プラダを着た悪魔」を録画して、「コレ観たかったんだよねぇ〜」とか言いながら観始めたら普通に以前観たことあったのだが普通に勢いで観続けてしまった。でもやっぱなかなか面白い。

 

ここから先はネタバレを含むので未読の人は読んではいけない

プラダを着た悪魔 (字幕版)

 

 

 

 

アンハサウェイが地味なファッションから華やかに変身するところはやはりカワイイ〜ってなるねぇ。この映画、ちゃんと容姿のキャラを活かした服装がいっぱい出てきて眼福。ファッションに正解は無いっていうか自分が好きで似合うのが自分にとっての一番なのやねぇと思う。

 

まーでもそれは置いといて、今回注目したのは先輩のエミリー。

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高飛車でアンディ(主人公)につらく当た…ってそうだけど物言いが腹立つだけで仕事はちゃんと教えるし嫌がらせとかもしない。先輩風ビュービューだけど、アンディがジュニアアシスタントとして入社した時にシニアアシスタントに昇格したばかりで本人も仕事が変わってドタバタしていたはず。

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風邪をひいても「仕事が大好き仕事が大好き仕事が大好き」と自分に言い聞かせて残業がんばる。結果としてアンディにフォローされることになったのだが、それについては素直に「ありがとう」と言える。

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アンディが頭角を表し、エミリーの夢であった「パリコレへの同行」の任務を主人公に奪われたうえ、仕事で交通事故に遭う。ここの展開、1度目に見たときに間違って覚えてて、エミリーがパリコレに行くことになってたけどエミリーが事故に遭ったからアンディが行くことになった、みたいな記憶だったのだがそうではなく、上司のミランダがアンディを選んでそれをアンディからエミリーに伝える命令を下し、それを伝える電話中にエミリーが車に轢かれるという。で場面変わって入院したエミリーを見舞いつつパリコレの件を伝えるアンディとそれにブチギレるエミリー。というシーンだった。

なんかこの展開が海外っぽいっていうか自分の勘違いが日本的というか、事なかれ主義だな自分、とちょっと思うなどした。ミランダがアンディを選んだことを事故じゃしょーがないよね、というふうにオブラートに包んだと思い込んでたんだなぁ。

↑のブチギレエミリー、ブチギレる点がちょっと良くて、仕事で追い抜かれた点ももちろんショックなんだろうけど、そこはアンディには言わなくて、体型を気にせず炭水化物をドカ食いしてるアンディがパリコレでキレイなドレスを着ることが許せん みたいなことを怒っていた。

けっこう序盤のシーンでミランダがアンディに、ランウェイが大好きでおしゃれが好きでミランダを崇拝している痩せた女の子がアシスタントの職に殺到するが、だいたいそういう子はバカでガッカリさせられる、というようなことを言うのだが、エミリーはその女の子の中で生き残ってきた子なんだなぁと思うよね。

あと↑の病院のシーンでエミリーがもうひとつ重要なことを言うのだが、「アンタはプラダを着た瞬間に悪魔に魂を売ったのよ!」というやつ。英語のセリフだと「ジミーチュウの靴を履いた瞬間に」みたいなんだけどまあ意訳なのかなんなのかアレなんだけど、要はタイトルの「プラダを着た悪魔」はミランダのことと見せかけて実はアンディ本人のことだったということなのかなという。終盤のシーンでミランダが同胞のナイジェルにひどい仕打ちをしてアンディがそれを非難するのだが、ミランダは「アンディもエミリーに同じことをした」と返してアンディがショックを受けるのだが、ここにつながっているのかなぁと。アンディは自分が悪魔になってまでここにいたいのかどうか考えて、そのあと仕事放棄して家に帰っちゃった(ここはちょっと無理あるってか映画的〜と思たが)のかなと。

入院のシーン、泣きながらアンディにブチギレつつ、食事の配膳に来てくれたおじさんにはなんとか笑顔を作って「ありがとう」と言ったり、「アンタ炭水化物を食べてる!」と怒りながらめっちゃパンを頬張ったり、ほんとエミリーな!と思った。

そんなエミリーに幸あれ。

 

ついでに↑で出てきたナイジェルもかなり良いキャラ。

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序盤で仕事に音を上げそうなアンディを厳しい言葉で諭したり、あんまりにも野暮ったいアンディのファッションを見立ててあげて変身させたりするゲイっぽいキャラで、こういう映画によくいるキャラではあるのだが、先述した終盤のミランダの裏切りというのがほんとかわいほうで、長年の功績が認められて新たにリリースされるブランドの責任者に選ばれて、その発表前夜にあんまり嬉しくてアンディの部屋にシャンパン持って乾杯を要請しに来るほど喜んでいたのだが、発表の土壇場でミランダが自分の保身のために別の人をそのポストに据えちゃって、すんごいショックを受けつつ、気遣うアンディに「ミランダはきっといつか埋め合わせをしてくれる」とつぶやく殊勝ぶり。アンディが「本当にそう思う?」と尋ねるとちょっと寂しそうに「分からない。でも信じるしかない」と自分に言い聞かせるように言う。かわいそう…。サラリーマンだな。

 

このナイジェルの中の人はエミリーと仲良くなって、エミリーの中の人(本名もエミリー)の結婚式でエミリーのお姉さんと仲良くなり、その後結婚したらしい。なのでエミリーとナイジェルは義理の兄妹になってしまったとのこと。なんかいいねぇ。

 

そんなプラダを着た悪魔。いま原作を読み始めてしまった。

ミランダはユダヤ人でユダヤ人ぽい名前を嫌ってミランダプリーストリーに改名したとか、アンディの彼氏は映画だと料理人だったけど原作では国語の教師とか、ナイジェルが映画だと坊主頭の紳士風だったけど原作だとムキムキのマッチョとか、そういう違いがちょっと面白いのと文章が軽妙で読みやすいので暇つぶしに最適。とりあえず読もうかと。