とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

ともだち幻想の話

子どもへの同一化防止が当面の育児テーマという話を昨日の深夜に書いて、翌朝のいま読んだ本の中にまさにそのテーマが出てきてひょえ〜となったので記録。

 

友だち幻想/菅野仁

友だち幻想 (ちくまプリマー新書)

近所のブックオフがつぶれるときに投げ売りされててなんとなく買って積読になっていたけど、昨日バンドの練習に行くときになんとなくカバンに入れ、昨日は読まなかったけど今日なんとなく読んだ。

社会学者が中高生向けに書いた新書で、家から乗り換え駅までの1時間で読み終えた。20年弱前の本で、SNSツールとか流行語とかの細かいところには古さを感じるものの、本質的なところは現在にも通じるものが多々あった。

 

例えば「使う言葉」と「考える力」の相関性について、第二次反抗期の中高生に「ムカつく」「うざい」という言葉を使わないように指導したところ、自分の中の負の感情を安易に吐き出すことなく向き合うことができるようになった、というようなところがあり、すごくわかる気がした。最近はなんでも良いと思ったら「エモい」って言っちゃうのが語彙減りそうでやだなと思っていたけど、語彙が減るということはそのものと向き合う力が弱くなる・考える力が弱くなるということなのか〜と思って、禁「エモい」を自分に課すこととした。どんなところがエモいと思ったのかちゃんと考えないとね。

 

で育児・親子の同一化についての記述について。印象に残ったのは、

・子どもが生まれた時、親と子の距離はゼロ距離。子は親の保護がなければ生きていけない

・小学校の中学年くらいまでは、あまり自立や他者性といったことを意識しないで全面的に愛情をもって関わるので良い

・子は徐々に他者性を帯びていく。双方に徐々に他者性を認め合っていかないと子離れ・親離れがうまくいかない

・子どもは思春期に、親の価値観に疑問を持ち親とは違う価値規範を選択することが多くなる。これが反抗期であり、親から自立しようとする自立志向。

・一方親にとって子どもはいつまでも子どもで、包み込みたいという心理が残る。これが包摂志向。

・包摂志向と自立志向の対立が思春期から青年期における親子のぶつかり合い。この時期にきちんと葛藤したうえでうまくやり過ごさないと親子関係がこじれたり悪い関係が長続きしたりする。じょうずにぶつかればその後に良い関係が作り直される。

・子どもが口で言う言い方や勢いに惑わされず、自分の子がどの程度まで成熟してきているのか見極めながら、子どもを支える力が親に求められる。

とりあえず今はまだ子どもとずぶずぶでもいいのかな?という執行猶予感は感じた。友に意見を聞いても、あんまり小さい時に他者性とか意識しすぎると愛着形成とかにも悪そうという意見もあり、それもそうだなって思った。

頭では意識しつつ、今はずぶずぶでいて、小学校上がったくらいから徐々に他者性を改めて意識したらいいかな…。今んとこそんな感じ。