とかげのたからもの

バンドが趣味の育児中会社員です。音楽鑑賞とジョジョとレミゼラブルが好きです。

ウエストサイドストーリーの話

エストサイドストーリー、好きなんだよなー。舞台観たことあるし、旧版の映画も大好きで何度も観たし、新版の映画は映画館に観に行った。最近ウエストサイドストーリーブームが自分の中で来てて、YouTubeで曲単位で観ては良いわぁ〜〜となっていた。なんかいろいろ語りたいことあるけど、今回は映画旧版と映画新版のキャストについて語りたいかなって。

 

●マリアとトニー

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まずマリア、新版のマリアがなんだかもう瑞々しくてねぇ…歌もすんごくうまい。澄んだ声というかほんと美しいソプラノなんよな。プエルトリコ系じゃないのがどーなのという論争もあったらしい。

トニーは、旧版のトニーがもともとちょっとお坊ちゃんっぽすぎるっていうかいい人そうっていうか、この人がキレて相手のリーダーブチ殺すかな?って雰囲気あったので、新版のトニーの、イケメンなんだけどどっか不安定で、いったんタガが外れたら相手が死ぬまで殴り続けそう、みたいな雰囲気は良かったな。てか俳優本人も婦女暴行疑惑とかのけっこうヤバい人らしく…作品の周辺情報としては聞きたくなかったなって思ったわ。

 

●リフとベルナルド

リフ


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ベルナルド


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リフとベルナルドはどっちも良さがあってね!!旧版のリフはどっか大人の余裕があってちょっとずんぐりむっくりしててユーモアがあって、みたいなリフで、クラプキ警部の歌とかも中心になって歌ってる。仲間からも自然と慕われてる感じ!新版のリフは一転、なんかヒリヒリするというか「失うものが何もない」人間の向こう見ず感というか、子どもの頃から誰からもケアしてもらえなかった人間という感じで切ない。仲間想いではあるのだがどこか冷淡というか、周りも恐れつつ慕ってるというか。その中でトニーだけにはなついてる感じがなんかリアルって感じした。心許せる相手がトニーしかいなかったんだろうね…最後殺されて、この子の人生は一体何だったんだろうって思わせる感じがほんと切なくて…。

ベルナルドは、旧版は言わずと知れたジョージチャキリス。有名な足をまっすぐ高く上げるポーズとかもそうだけど、どっか優雅な感じの振り付けが多いんよね。紳士な感じでイケとんよー!Americaとかはダンス大会帰りのスーツで踊ってるからまたかっこいいしやな。一方新版のベルナルドはジョージチャキリスと違ってリアルにプエルトリコ系で、職業がプロボクサーという設定も相まって、ちょっと短気で粗暴だけどアニタには口喧嘩で言い負かされるし、家族想い・仲間想いの頼れる兄貴って感じよねー。腕の筋肉がほんとすごいんだよ!Aやこの旦那のMやもと君にちょっと風貌が似てるのがじゃっかん気が散るけど…。

 

アニタ

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今回はアニタのことを書きたくてこの記事を書き始めたと言っても過言でない。アニタはほんと旧版も新版もマジで素晴らしい!2人ともプエルトリコ系、2人ともこの映画で助演女優賞受賞。特に旧版のリタモレノプエルトリコ系で初めてこんなに有名になった人らしく、プエルトリコ系の女性たちに希望を与えたという存在らしい。新版のアリアナデボーズはクィア公言しているらしく、有色人種女性かつクィア公言している人間で初めての助演女優賞獲得らしいのだが、そういう周辺情報よりも、ダンスの溌剌さと表情の豊かさが本当に素晴らしい。

2人を比較した場合、ダンスの迫力・難しさとかでいうとやっぱりアリアナデボーズが圧倒するのだが、リタモレノの愛嬌たっぷりな歌い方とか振る舞いはもう愛さざるを得ない存在感があるよな。

ベルナルドとの関係も、旧版は紳士なベルナルドに大事にされベルナルドを癒す、グループの中の女性たちのリーダーって感じだけど、新版だと短気なベルナルドが怒り始めるとそれを上回る迫力でベルナルドをドヤして黙らせる肝っ玉母ちゃんって感じ。それでいて超美人でベルナルドと愛し合ってる感じもしっかり伝わってくる素敵な関係。お針子的な仕事をしていてゆくゆくは自分の店を持ちたいみたいなこと言ってたし、ベルナルドがマリアに「オレの家にいる以上…」とか言い始めた時に「『オレの』家?!あたしも家賃入れてるんだから『あたしたちの』家でしょーがよ!!」みたいな感じで怒鳴り返していたから、養われてるとかではなく対等なパートナーとして生活費を分け合ってる雰囲気だったな。いいよのー。

とりあえずアニタが主役の曲であるAmericaの動画貼っとこ。

旧版

旧版のAmericaはスタイリッシュなはないちもんめ感が良いよね。コレもともと舞台版では女同士でAmerica否定派と肯定派に分かれてケンカする歌なのだが、映画旧版の際に改変されて男女でケンカする歌に変わったんよね。ナイス改変だと思う!旧版の最後の男女分かれて踊るところ(4:40〜あたり)、ほんと大好きでここだけ繰り返して観ちゃうのだが時間にすると10秒とかなんよな。芸術ってすごいよほんと…尊い10秒を作るために何百人もが何年もずっと努力して…尊い〜〜。

新版

まず歌詞が変わってんのよな。旧版アニタのリタモレノが新版の製作指揮にも入っていて、旧版撮影の時に歌詞が同胞を馬鹿にしすぎているのではないかと思い悩んだ経緯があったらしく、冒頭のプエルトリコディスる歌詞が変わってる。あと旧版はロケーションがビルの屋上だけで、舞台から映画化したという印象が強いのに対し、新版は「映画でできること全部やっときました」みたいな開放感とスケール感がある!限られた空間で職人技を競う感じの旧版も良いし、映像の端々から生きる喜びが感じられる新版も最高。新版で子どもたちが喜んで一緒に踊り出すとこが良いんよな!大人のダンスを見て覚え始めたみたいなステップがカワヨ〜〜。子どもたちや大量の野次馬が出てくることにより、ジェッツと違ってシャークス側は、差別され貧しいながらも家族やコミュニティ内のメンバーで支え合ってる、みたいなエネルギーが伝わってくるんよな。ジェッツはほんと街のチンピラ感がすごいからねぇ。ジェッツのクラプキ警部の歌も新旧載せとくか。

旧版

要はコントなんだが、冗談混じりに自分たちの置かれた状況を共有し合うことによって仲間意識を強めてる感じはあるよな。旧版はリフがメインで歌ってて、ユーモラスな感じがより悲惨さを強調してるね。リーダーであるリフがこんな風に自分のこと話してくれるからオレもついていく、みたいな雰囲気感じる。

新版

新版ではまさかのリフ不在という。ビックリしたけどこれはこれで、リフ以外のメンバーが生き生きと歌い踊ってておもろい。ベイビーなんとかと呼ばれてる年下の子が最初は警察でどんな目に遭うかビビってるだけだったのに、終盤で仲間に勇気づけられたように歌い出すようなところ、大爆笑って感じではないのだが微笑ましいというか、なんか分かるこういう感じ、みたいなね。この、まだ幼くてヒリヒリした子たちが最終的にアニタをレイプしようとするっていう…このレイプ(未遂?)のシーン、旧版ではジェッツの女たちはボケ〜っと見てるだけだった気がするけど、新版では敵とはいえ同じ女のアニタがレイプされようとしている雰囲気を察して女たちが男たちを必死で止めようとする描写が入って胸熱だった。結局追い出されちゃうんだけど、これも普通ならこっちだよな、って思った。こういう胸熱描写が加わった映画の主人公のトニー役の俳優が婦女暴行疑惑ってのが本当にね…やるせないし下半身シュレッダーされて来いって感じなんよな。

 

そんな感じでちょっと語ってみたけどなんか不完全燃焼だからまた語るんだろーな。とりあえず今日はこんなとこ。